11人の怒れるおじさん

テニスおじさん🎾決戦二

ワンゲームアップで迎えた第二ゲーム。相手のサービスゲームはキープされた。
　わたしは様子見のつもりでいた。ベテランペアは打つコースや役割も決まっているらしい。
　次のゲームはヨウさんからのサービスだ。
わたしは振り返ると「気楽にいきましょう」と叫んだが、まったく聞こえていないらしく、厳しい顔でトスを上げた。
　ここからヨウさんのサービスはまったく入らなくなった。

ワンゲームダウン。今のところ、1対2で負けている。
　ヨウさんを観ると、はぁはぁと息をしている。体力的にではなく、精神的に追いつめられているのが分かった。
　チェンジコートの時、バナナのゼリー飲料とレモンのアクエリを渡した。ヨウさんは泣きそうな顔で受け取り、コートサイドの椅子に座ると
おおきなバスタオルを頭から被った。