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たった今から、私がこの惑星の王となるのだ――。
雷鳴のなか、魔族のリーダーであるルシヴィルがそう雄叫びをあげ空気を震わせたとき、民衆は、歓喜の声をあげる者の他に、絶望のあまり膝から崩れ落ちる者もいた。
この惑星は人間である人族、人族と友好度の高い天使のエルフ、体が大きく剛腕で傲慢な魔族、魔族に仕えるダークエルフ、二足歩行のトカゲで明晰な頭脳を持つ竜人族、ドワーフという名で知られる体は小さいが腕っぷしの小人族、桁違いに体の大きな巨人族、この七種族が共存している稀有な惑星である。
地球から四光年ほど離れた位置にあり、水星よりも小さな惑星で名をランサという。名付けたのは初代の王であるアダムだ。
ランサという名称の由来はこの二つが有力だとされている。
一つは希望を意味するスペイン語『エスペランサ』からとったというものだ。アダムはスペイン語が堪能だったといわれている。
そしてもう一つは、アダムが好んでよく食べていたというフルーツ、ランサからとったという説。
どちらが正しいのか、またどちらも正しくないのか、アダムの存在が真実かどうかもわからないほど大昔の話となってしまった今では、誰も知るよしもないことである。
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