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後5分… 後5分で俺達は脱落する……
俺達の部隊では入隊すると各々に子犬が配られる。
犬は頭が良く人間と意思の疎通が図れる。
さらに当然の事だがその嗅覚の鋭さでトラップの発見、遭難者の救助、他にも様々な事に役に立ってくれる。
そのパートナーを自らで育てろというのだ。
俺は、パートナーにサンドラと名付けた。
サンドラが大きくなると、1日分の食料と水、訓練用ナイフのみの装備でサンドラと森に放り込まれた。
訓練生同士の戦闘訓練である。
敵と遭遇し、敗北すれば即脱落。
訓練終了まで一週間かかった。
極度のストレス、疲労、飢え、乾き地獄の様な環境で俺達は生き抜いた。サンドラは索敵能力も高く、何度も窮地を脱する事ができた。何より精神的な支えとしてなくてはならない存在だった。
この訓練を生き残った俺達は部隊の中でもトップクラスの実力があると自負していた。
そして今日は最終訓練。
この訓練で脱落すればこれまでの地獄の様な訓練は無駄になる。
与えられた時間は3時間。3時間以内に指示された指令を『開始』出来れば合格である。
この訓練で大半の訓練生が脱落した。
ある者は嘔吐し、ある者は嗚咽したまま動かない。教官に掴みかかる者までいた。
残り時間は後5分…
指示を待つサンドラ
俺はサンドラを強く抱き締めた
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