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「ダメだって、和志……っ」
キスと首筋への愛撫だけで息を切らしている圭一が、手を伸ばして和志の腰を掴み押しとどめようとする。
「でもっ、圭ちゃん、俺止まんない」
焦れた和志は性急に圭一のデニムを脱がしながら訴える。しかし圭一は和志の耳元にぴったりと唇を寄せた。
「バカ、そんなすぐイってどうするんだよっ。……今日は、するんだろ?」
——今日は、するんだろ。
その言葉は和志の動きを止めると同時に脳天を沸騰させた。確かに、触り合って出すだけのいつもと今日は違うのだ。こんなところで早まって入れる前に終了なんて、それこそ本末転倒に違いないのに興奮しすぎて頭が回らなかった。悔しいけれどこういうところが圭一と和志の経験の差なのだろう。
圭一が軽く腰を浮かせてくれたので、和志は勢い任せにデニムと下着を引き摺り下ろす。重い布地はいったん膝のあたりでわだかまったが圭一がもどかしげに脚をばたつかせるとやがて完全に足先から抜け落ちた。
「圭ちゃん」
名前を呼んで、ほとんど完全に勃起している圭一の性器に触れる。軽く握るとすでに先走りがにじんでいるのか、濡れた感触がした。自分とのキスや接触に、この幼馴染が同じくらい昂らせていることそれ自体が嬉しくてたまらない。
すでにここまでなら何度も経験している。どこをどうくすぐってやれば圭一が甘い息を吐き、身をよじって達するのかも知っている。でもさっき圭一に釘を刺されたように、今日の目的はその先にある。和志は冷静な思考能力を失った頭で、それでも繰り返してきた予習の内容をなんとか思い出そうとした。
「……ちょっと、和……っ」
膝裏に手をかけて左脚を大きく上げさせると、何もかもが露わになる。あからさまな姿勢を取らされた圭一は驚いたような声を出すが、行為のために必要なこととわかっているからか、顔を赤くしてぐっとその先の言葉を飲み込んだ。
反り返ってふるふると震えている性器とその下に息づいている膨らみ。そしてそこから少し下に目をやれば、まだきゅっと窄まっている箇所が和志の視界の真ん中に入る。目が眩むようだった。
ローションのボトルを手にして、蓋は口で開ける。「練習」の最初のときにそのまま垂らして冷たいと叱られてから、手の中で温める手順を欠かしたことはない。しばらく手の中で温め撹拌してから、たっぷりの粘液をまとわせた指を伸ばした。ぬるぬると周辺を指先で撫でさすり、緊張が緩む頃合いを見計らって指を差し入れる。
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