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俺の目覚まし時計
「わがサーバントよ!目覚めるのだ!」
「あと5分だけ寝かせて・・・」
「くっ、このような抵抗を受けるとは。封印解除!」
「・・・あや」
「あやではない。主様と呼ぶのだ!聖戦は目前に迫っている!」
「・・・生鮮野菜?」
「野菜ではない。最終戦争、ラグナロクが始まろうとしている。」
「・・・」
「わがサーバントよ、急いで封印を解かなければ取返しの付かない事態になるぞ。っく、これもサーバントを完全に支配下に置けていない我が未熟なせいか。このままではフィンブルの冬が訪れ太陽と月が飲み込まれ世界が崩壊してしまう。今、我らの力を覚醒させなければ、聖戦に間に合わない。今、この瞬間戦神トールはその魔槌を振り上げ巨蛇ヨルムンガンドに向かおうとしているのだ。我々が加勢しなければ敗北してしまうのだ。そして、・・・・・・」
あやはブツブツと何かを呟き続けている。
「うるさい!この中二病め!」
俺は中二病の煩わしさで目を覚ました。
「やっと目覚めたか!しかし、我の言葉を理解できぬとは!まだ完全に覚醒していないようだな。」
「完全に目を覚ましたわ!いい加減にしろ!寝ている横で、意味の分からないことを永遠と語られては、ゆっくり眠ることもできないだろうが!人の迷惑を考えろ!この中二病のクソ妹が!」
「誰がクソだ!主人である我がわざわざサーバントの目を覚ましてやったというのに。」
「誰がサーバントだ!クソ!今何時だよ!」
俺はスマホの時計を確認する。
現在の時刻:7時32分
「あや?」
「あやではない!主様と呼べ!」
「主様、何時の電車じゃないと遅刻だっけ?」
「よくぞ、聞いてくれた。遅くとも7時42分の電車に乗らなければ聖戦には間に合わないであろう。」
「何故!もっと早く起こそうとしなかった!」
「起こそうとしていたじゃない!」
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