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中学時代もそうだった。
友達はすぐ出来る方だった。
だけど、友達だと思っていたのは違かった。
千花ちゃんは、人の気持ちなんて分からない
よねとよく言われて、ひとりぼっちになっていた。
そう、転校してきた咲と出会うまでは。
私はやっぱり、人と関わることは前から変わってないのかもしれない。
「千花は素直じゃないよね」
西原はそう言って、重ねた手に引かれ、
西原の胸に私の顔を覆った。
「え?ちょっと離して」
私は西原の胸を押しながら、声を発する。
「…好きだよ、千花。千花の本音が聞きたいんだよ」
優しい声で私を抱きしめて、西原は頭をポンポンとしてきた。
「……っ、好き」
思わず、私は素直に口にする。
私は西原の胸を抱きしめた。
西原はギュッと私の背中まで手を回して、それを受け止めて、私も同じように返した。
「それで、どうする?」
西原は嬉しそうにして、私の両肩を掴んで、聞いてくる。
「咲には言うよ。あとの人は考える」
私は真正面に西原と向き合う。
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