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「でも、少しは嬉しいんだよね?ああいう風に言ってくれるのは」
咲はわかっているのだ。私の考えが。
長年一緒にいるから、どんな些細なことでも。
嬉しいよ、本当は。
こんな自分を好きだって言ってくれるのは。
でも、恋愛感情とは違う。
私の存在している意味があるんだと思い知らさせる。
「…言ってくれるのはね。まあまあね」
私は正直な気持ちと裏腹に、咲と真顔で目を合わせて、声を発する。
「素直じゃないだから」
咲はクスッと笑って、ニンマリとしていた。
「え?なんのこと?」
私はとぼけるかのように、首を傾げた。
咲は私の考えなんてお見通しで、このノリは咲とだから出来る。
会話をしている中、私と咲は満面な笑みで笑いあった。
キーンコーン カーンコーン
キーンコーン カーンコーン
鐘が鳴ったので、机に出していたいろんなものを閉まって、教科書類など出した。
直後、先生が来て、授業が始まった。
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