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第二話 心の声
『ぼくはあおいだよ』
――声が聞こえた。否、自分の本質が何かを問う為に、その声は現れたのだ。
わたしもあなた。あおいは何だれ。
『ぼくは……ただのあおいだよ。君もぼくなの』
そう。わたしはあなた。あおいのなりたい自分でしょ?わたしを作り出したのはあなた。
『なりたいぼく…………ほんとうに、なれるの?君に任せれば』
うん。わたしはあなただから、あなたがわたしに任せてくれればなれるなれるよなりたいあなた。それがわたしだから。
『…………あおい』
あおいはあなた。わたしもあおい。あなたの声を聴いたよ任せてわたしはあなた。
ねえねえ、見たみた隣のクラスの男の子。
見たよみたみた変な子だよね、あの変わった子の事だよね。
『…………』
そうそうあの子。可愛い服も綺麗な髪留めもあの子はだめだめ。
そうそうだめだめ。だってあいつは男の子。男の子なのに可愛いはだめ。
『…………』
あれ泣いちゃった。なんでなんで。どうして突然泣いちゃった。
ほんとだほんとだ。あれれあれれ。どうしてあの子行っちゃった。
『…………』
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