認定式

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 よく見ると、俺の周りにいる兵士の中には床に崩れ落ちている人がちらほらいる。男女問わず。泣いている人も。 「私の王子様が……」 「こんな顔の兵士と⁉︎」 「きっと遊びだよ。ご自分のお顔立ちが完璧だから、無いものを求められるんだろう」 「俺だってお付き合いしたかった。遊びでもいいから」 「お前は遊びでも無理だろ」 「俺は信じないぞ!」 「ファンクラブ解散かなぁ……」  みんな好き勝手な事を言ってる。でも、やっぱりショックを受けているのかな。相手が埴輪の俺ですみません……。 『ジョシュ、やっぱりランチはやめておきます』 「何言ってんの? 食べるよ!」  落ち込む俺を引きずって、ジョシュは美味しいという飲食店に入った。  店の中でも王子の話でもちきりだ。正直記事や会話の内容が気になって、食事という気分じゃない。それでも運ばれてきた日替わりランチはボリュームがあって美味しそうだった。 『……ジョシュは、王子の恋人が男でも気にしないんですか?』 「え?」  ジョシュだけじゃない。嘆く兵士達も、恋人が男という部分に引っかかっている人はいなかった。  俺はなんとなく、王子様といえば世継ぎとかそういう問題で、相手は女性じゃないと駄目なのかと思っていたんだけど。 「もう、ミサキ君てば、いつの時代の人? 自分の恋人だって男でしょ。それとも同性愛に厳しい村で育ったの?」 『問題ないんですか?』 「今は半獣と付き合ったって差別されない世の中だよ。さすがに王子様のお相手が半獣じゃまずいだろうけど」 『子供とか、跡継ぎとかは?』 「それはよく分からないけど、確か歴代の国王にも何人か同性同士で結婚された方いらっしゃったはずだよ」  そ、そうなのか? 自由だな。ラキ王国。 「それよりさぁ、誰なんだろうね、お相手」 『え?』 「僕は飛行部隊が怪しいと思うな。いつも一緒にいるし、イラストからアーク様やロベルト様じゃ無いことは確かだけど、部屋に通われてもみんな気付いてないんだから、11階以上に住んでいるエリートだと思う。だから名前を載せてないんだよ」  ジョシュ鋭いな。ちょっとドキドキしたぞ。 「でも今度こそ幸せになって欲しいよね、王子様には。今までのお相手とは辛い事ばかりだったもんね」  ん?  今までのお相手?
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