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「イオ君イオ君っ。」 「ルトさん煩い。何だよ。」 帽子を被った、一見少年に見える容貌のルトが、見慣れない本を抱え一目散に走ってくる。 少し鼻に掛かったような声が、更に幼さへ拍車をかけていた。 「これ、物置で見つけたんだけど、面白そうだから僕達でやらない?」 土手の草むらに寝転がっていた黒猫のイオは、安眠を邪魔され面倒臭そうに本を受け取る。
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