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閑のもう片方の手は脇腹を探る。その間も絶えずもてあそばれている胸の突起から甘い感覚がじわじわ広がって僕を苛む。
閑の手のひらが脇腹を軽く揉むように動き、皮膚の薄い場所をじっくりと撫でる。
「……ぁ、あ」
少しずつ息が上がっていく。
閑が僕に覆い被さって、唇を貪る。それに応えようとすると閑が唇を離した。
「のどか」
物足りなさに名前を呼んでも、閑は答えない。
胸の前で縛られた両手首を掴んで、僕の頭上で押さえ込んだ。
顎先から輪郭を辿るように唇を落としていく。
「ん」
「隼人、骨に近いところ、弱いよね」
柔らかく唇を落とされるのは、気持ちいいけれど、足りない。
ずっと、弱い快楽を与えられ続けて、頭がぼうっとしてきた。
「閑」
声だけでねだっても、閑は僕を見て首を傾げるだけだ。
頭上で縫い止められた腕を動かそうとすると、閑が力を込めた。
「だーめ」
縛られて、動きを制限されるのは、もどかしくて、少し怖くて、閑にまるで執着されているようで、おかしな気分になる。
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