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朝。憎らしい程に清々しい朝。
今日も学校とワンセットでくる朝。
今日の朝方までゲームをやっていたので睡眠時間は二時間を切る。
もう少し寝ていたいがもう八時だ。学校まで片道二十三分。学校が開くのが八時半。学校の遅刻認定の時間が八時四十分くらい。此れでも学校としては遅い方だが僕にとっては早過ぎるくらいだ。小学生の頃はどうやって起きてたんだろう。
しょうがないので制服に着替えた後緊急用の朝食、某十秒でチャージなゼリーを片手に玄関から飛び出す。さっき確認した時計は長針が十を指していた。
恐らく、いや絶対に彼奴等は待ってくれてないだろう。
幼馴染の五人。今は学校で一緒にいる時間は少ないが登下校はいつも一緒だ。
そんな奇妙な関係だが、普通に仲はいい。
学校へ行く途中に在る待ち合わせ場所を見る。矢張り居ない。分かっては居たが悲しい。そして周りにも生徒らしき人はいない。
しょうがない、と、手に持ったゼリーのキャップをパキリと捻る。
全身を走り出す体制へ移す。
「よーい、」
右足を前へ出し、同時にゼリーを口にくわえる。
「どーん!」
たったっと、軽やかに足音を立てて走る。恐らく走れば間に合うだろう。
今はただ、遅刻しないことを祈るだけだ。
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