序章

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 木漏れ日。  春の花の香りを、心地よい風が運んでくる。横をふわりと薄桃色の花弁が舞う。  それが合図だったかのように、木からはらりはらりと舞い散る数多の花弁。そこに金髪の少女は手を差し込んだ。  風に合わせて彼女の長い金髪がサラリと舞う。  ゆっくりと落ちてくる一枚の花弁は、彼女の手に吸い込まれるように手の上に落ちる。  それと共に、別の花弁が少女のアップにして留めた前髪の上に落ちた。 「隙ありっ!」  
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