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「そうなんや……でもなんで一気飲みを強要するのよ」
「強要されたんじゃなくて、僕が自分からやり始めてん。嘉門達夫のモノマネも。俊一たちが大事なミルメークやデザートくれるんやから、何かお返ししないと。僕にはお笑いしかないって思って、出来るだけウケるよう、特訓したんや」
「……」
「俊一たちは、一気に入れんでええ、少しづつ家で飲めって言ってくれたけど、僕は、みんなが笑ってくれたら一番嬉しいから、好きでやっててん」
智子に叱られた後、惣太の牛乳一気飲みは無くなった。
智子は、自分が苛めを止めさせたのだと、疑っていなかった。だが、事実は違っていたのだ。
「いやさ、吉川さんさっき俊一たちによそよそしかったから、あの時のこと、もってるのかなと……であれば、誤解やから、言っておかないと、って思ってさ」
「そうやったんやね……私が変な正義感出して、余計なことしたんやね……」
「けど、僕を助けてくれようとした吉川さんの気持ちは嬉しかったで。こんな隅っこやなくて、あっちで飲まへんか」
惣太は智子を伴い、俊一たちのテーブルへ近づいた。
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