ミルメーク

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「ちゃらりーん。鼻から牛乳~♪」 そして本当に、左の鼻の孔から牛乳(コーヒー牛乳だが)を出すのである。大流行している、嘉門達夫の替え歌である。 鼻の孔から牛乳を出すのには相当の技術を要したが、猛練の結果、惣太は1ヶ月で体得した。 ギャハハハ! 俊一のグループのみならず、女子も、クラス中の皆がそれを見て、大笑いする。惣太が照れ笑いを返す。 その時、吉川智子の大声がした。 「あんたたち、いい加減にしなさいよ!」 にぎやかだった場が静まり返った。 「何やねん。別に俺たち、惣太を苛めてるわけやないで」 俊一が智子に向き、口を尖らせて言った。 「無理矢理飲ませてるやん。苛めと同じやで。いつも我慢してたけど、もう我慢できへんわ」
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