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ミルメーク。小学生に大人気を博した「魔法の粉」である。
ミルメークを給食の牛乳瓶に入れてかき混ぜると、コーヒー牛乳に変身するのだ。だから、たまにミルメークの小袋が付いている給食の日、休みの子のミルメークを奪うジャンケン大会が、全てのクラスで繰り広げられた。
そんな子供たちの宝物といえるミルメークを、大前惣太は10個も味わえる幸運に預かっていた。
「惣太、ホラ、飲めよ」
惣太に木下俊一から牛乳瓶が差し出される。10個分も入っているので、溶けきれないミルメークがドロドロに下に溜まっている。瓶を受け取り、ストローで少し攪拌したあと、惣太は一気飲みする。
「ごくっごくっごくっ……ごくっ……うっぷ、ゲホ」
いくらコーヒー牛乳が旨いと言っても、これだけ濃いと喉にきて飲みにくいが、我慢して飲み切る。
そして飲み終わったあと、必ずこれをやる。
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