プロローグ

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「……そうですね」  天気雨だね、と男は言ってから、ああもう沈んでしまったか、と西の空を見やった。 「ここから見る夕陽はけっこう見ものなんだよ。昔はビルがなかったからもっと綺麗に見えたんだが。――そうそう、君、今お腹空いてないかい?」  そういえば今日は朝から何も食べていない。 「今、新作メニューを試作したんだが。君さえよければ、味見してくれないか?」  それがマスターとの出会いだった。
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