温泉だ!

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   でも、いざ布団の上に二人で並んで座ると。  また緊張してる、かも。  横から怜の手が膝に乗って来て……荒い呼吸を間近に感じて。心臓がドクドクとうるさいくらいだ。旅館の布団と浴衣っていうのもいつもと状況が違うせいか、余計に身体を敏感にさせてる気がする。 「あ……」 「透瑠……」  こういうとき、めちゃくちゃイケメン度が上がるよな。目が離せなくて……狼に捕らわれた兎みたいな気分になって、もう動けなくなる。  頬を大きな手に包まれて、唇が塞がれる。怜の舌が俺の唇をなぞり、ぬるりと入ってきた。歯の裏を通って舌を絡めとられる。 「ん、ん……」  いつもより激しく攻められて、俺はもう力が入らなくなる。後ろに倒れそうになったのを、怜の腕が素早く支えて、そのまま布団に押し倒された。  いつも、されてることなのに。今日は最後までやるって決めてるからか、浴衣姿初めて見たせいなのか。 「……どうしよう……すごく興奮する」  俺が思ったことを、怜が口にしたので思わず笑ってしまった。 「え、なんで? ダメ?」  違うって。俺は怜の首に腕を絡めて、グイッと引っ張った。その耳元にささやいてやる。 「……俺も今そう思った」  そして驚いたように目を見開いて俺を見る間抜けな顔に、多分初めて俺からキスをした。 あ、看病してるときに勝手にしたから二度目か。
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