私の隣の席の瀬川君は残念なイケメンです

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 マジか⁉︎  手首を掴まれ、心臓がドキンと飛び跳ねた。気づけば、瀬川君の長い睫毛がもう目と鼻の先にある。 「ウソ、やだ、ダメだってば、ここ教室だしっ……」  教室じゃなければいいのか? っていうツッコミが頭をぐるっと一周する。  こういう時に限って、瀬川君は無駄にイケメンだし! 「い、いいって! キスしたって舌の苦味は多分取れないからっ……!」  公衆の面前で唇が奪われかけるという大ピンチに、私はのぼせ上がって目を回しながら叫んだ。  すると瀬川君はポケットに手を突っ込み、 「大丈夫。いいこと思いついたんだ」  と包み紙に包まれた飴玉を取り出した。 「これを舐めれば絶対に甘くなるから」 「アメ……だと? ま、待て、瀬川あああああ!」  そんなもんがあるなら最初からこっちに渡せやあああ!  私の制止は虚しく、飴玉は彼の口の中に放り込まれた。 「ああああああ!(絶望)」  ──瀬川君はイケメンだけど、やっぱりかなり残念すぎる。
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