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星影さやかに瞬く
彼の死は土曜日だった。
日曜日もその話題が取り沙汰された。
週が明けて、朝の情報番組やワイドショーで、また取り上げている。
発見から報道まで、短い時間だった。
速く報じることが先に立ったのか。
私はニュースの内容の、雑な扱いに憤慨した。
配慮が足らないと憤ったが、同じように感じた人は、たくさんいたようだ。
自死の場合、状況の報道は、必要ない。
これを機に、ガイドラインを見直していただきたいと思う。強く願う。
彼を知る人たちのコメントが紹介されている。
彼を惜しむ声ばかりだ。
私が彼に持っていた印象は、真実だったたとわかる。
辛かったら逃げれば良かったのに。
自分が居なくても、結構、仕事は廻るもんだ。
仕事に責任を感じることは大事だが、やる人間が潰れてしまっては、本末転倒だ。
ましてや、彼ほどの資質が永久に喪失してしまったのだ。その方が、どれほどの損失かわからない。
そして、いくら逸材だからといって、あれもこれも負わせては、無理になる。
仕事は、分散させてほしい。
まあ、仕事が原因かどうかもわからないけど。
彼はスターだった。
そして、今は本当の星になってしまった。
遠慮がちに微笑んでも、わかるのだ。
憂いの瞳が瞬く。
星影さやかに瞬く。
夜空に輝く。
ぼくらの心に輝く。
いつまでも。
いつまでも。
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