『あのときは…』

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『あのときは…』

『えーと、この頃ちょうど色々ありましてね。 引きこもっていたんです、私。 恥ずかしい話ではありますが…中二病がずっと治らない方や極度の天の邪鬼である方、もちろん引きこもりという方は多いのでしょう? 私もその一人であったというだけですよ。 軽く言いますけどね。 でも、その時の本人は真面目に考えて、考えて考えて。迷って、悩んで、分からなくて、その結果としてその状態に陥ってしまっているのです。 私はどうも一人で抱え込む性格らしくて。 いや、今は結構丸くなりましたよ? 周りを見れるようになったからですかね? まあ… 言い訳にしかなりませんが、私は世界が理不尽に思えて憎かったのですよ。 なんで自分だけがこんな道を歩かないといけないのか。また私の全てを世界は奪っていくのか。 憎くて、悔しくて、何も出来ない自分が不甲斐なくて。 …ただの八つ当たりですね。 今でも世界は理不尽だと思いますし、自分を否定して拒否することもあります。 ですが、何度も何度も何度も何度も。それこそ魂が磨り減るくらい何度も世界をめぐり、真実を私は見てきました。 そこで思ったのですよ。 世界は理不尽ではない。 理不尽であるという在り方が世界の一面なんだ、と。 私が理不尽だと思っていたのはほんの一部で、他の部分では世界はちゃんと私を受け入れてくれていたのです。 今、私がたくさんの方たちと繋がりを持ち、こうしていられるのはそのおかげでもあるのです。 ですから、もう私はあの時のように絶望はしても拒絶はしないのでしょうね。 もう、ひとりではないのですから。』
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