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くたくたの体で帰社して、簡単にシャワー浴を済ませたあと、俺はその存在に気が付いた。
「……は?」
ぱちぱちと数回瞬きし、開いた口は塞がらない。
まだ電気も点けていない居間のちゃぶ台の上に、ご丁寧に目立つよう、時限爆弾が置かれていた。
それはタイマー式のもので、黒い液晶には【5:00】と赤い数字が浮かび、赤や青や黄色の細いコードに如何にも爆弾ですと言いたげな黒い筒が繋がれている。
「あと……5分?」
怪訝に眉を寄せてポソっと呟くと、急に"ピッ"と音を立て、数字が1秒ずつ減り始めた。
「ーーっうわ!?」
後退りから足を滑らせ、俺はその場に尻餅をついた。
一体何がどうなってる??
低姿勢のままそれに近付いて凝視する。
見間違いの可能性も無く、刻々と数字のカウントダウンは続き、ゼロへと向かっている。
「……な、なんで?」
突然の事に狼狽た。
あと4分半ちょっとでこれが爆発したら一体どうなると思ってるんだ?
爆発の規模が予測出来ないので確かではないが、俺は間違いなく怪我をする………と言うより死ぬかもしれない。
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