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「夢ね。村の子供達に世界の色々な事を教えていく事…かな」
「先生ってこと?」
「うん、まぁそんな感じになると思う。まだ漠然としてるけどね」
村の外では常識も考え方も生活様式も、全く異なる世界が広がっている。しかし異形達の存在がそれを知る機会を奪ってしまっているのだ。
だからこそ、この目で見て感じた事を村の子供達に教えていきたい。
「そのためにいつかまた旅に出たいな。この世界その事、もっと沢山知りたいんだ」
「そうなんだ、凄いね!」
「うん、その為には異形達と戦えるようにならないとダメだけどね」
はは、と自嘲するように笑う僕に心花が真っ直ぐな眼差しを向ける。
「蒼希ならできるよ」
そう言う心花の目が本当に綺麗で、根拠もないのに自信が湧いてくるのを感じた。
「心花は?夢とかあるの?」
「うん、お嫁さん」
即答する心花に、今度は根拠もない期待と鼓動が最高潮に高まっていくのを感じていた。
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