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出会い
お母さんに包まれて眠るのが好き。
ぼくはお母さんに愛されてるって感じると、すごく嬉しくなって元気いっぱい遊ぶんだ。
お母さんはいつもぼくの事を見つめてる。
ごはんの時も、ぼくが食べてからお母さんが食べる。
このままずっと、お母さんと一緒に居られると思ってた。
見覚えのある透明な板のお部屋。
なんでだろう?
初めて来た所なのに、このお部屋に来たらお腹がギュッて苦しくなった。
人間がこっちを見てる。こわいよ。
ぼくは反対側の壁にくっついて眠った。
ごはんをくれる人間が、ぼくを優しく抱っこした。
初めて見た人間にぼくを渡して、何かお話している。
早くお部屋に帰りたいよ。
人間は大きくて、何をしてくるか分からないからこわいんだ。
頭を撫でてくれた。
なんだか懐かしい気持ちになる。
そんな幸せもあったような気がした。
でも……やっぱり早くお部屋に帰りたい。
ぼくは人間がこわいんだ。
なのにそんな事お構い無しに、毎日毎日いろんな人間が来る。
ぼくは人間の所には行かないよ。
ずっとここでいいんだ。
外に出て走りたいけど、ここにもおもちゃだってあるし、ごはんももらえる。
ここを出たらどうなるの?
人間はこわい。
なんだか分からないけど、ぼくはそれだけを知って産まれてきたんだ。
ある日、とうとうぼくはここを出ることになった。
大人の人間が二人来て、ぼくを選んだんだ。
噛みついて逃げなくちゃ!!
ぼくは必死に噛みついたけど、まだ力がなくて全然勝てそうにないよ。
ゆらゆら揺れる狭いお部屋。
ぼくはこわくて震えていた。
扉が開くと、広いお部屋が見えた。
やっぱり人間のお部屋だ。
その隅に檻があって、ベッドとごはんとお水をくれた。
トイレはこれかな?
この中にずっといよう。
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