君の人生に警護で好う(3)

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「いらっしゃいました。では秋吉さん、こちらへ」  颯京様と軽い会話を交わす秋吉。颯京様の隣に立っている、眼鏡を付けた秘書であろう方に話し掛けられた。  この方とも同じように挨拶を交わす。  会話の間に『颯京様の秘書である』と伝えられた。  秋吉は、秘書だと示された為に理解が出来た。秘書から颯京様に離れるよう、こちらへと背中を押される。  この方が秘書だと言動を受け入れ、颯京様から離れる事を了承した。  颯京様は不思議そうに頭を傾げる。だけれどソファーに座りながら本を読み出した。  こちらに颯京様が興味を示さなくなるのを確認する。本を読む颯京様に安心した上で、秘書が颯京様についての説明をし始めた。  秘書によると颯京様は、発情期の際に発情しないよう免疫抑制薬を服用している。免疫で発情期の回数を減らし副作用もないからと担当医から処方された。  仕事の最中でも周りに迷惑を掛けずに行える、と特化されている。Ωである颯京様には有難い品物だ。  まずは、仕事に関して支障がない。  支障がない代わりに『Ω』と気付かれる事はなかった。その便利だった筈が、とある記事の掲載によると『Ωの俳優』ではないかと疑われる羽目になった。  この事により警護会社へ依頼をお願いするようになったと説明される。 「呉々も颯京様が“ Ωの俳優 ”だとバレないように警護を頼みましたよ」 「はい、承知致しました」  颯京様がΩだとバレた日には、避難の声を浴びる事になるだろう。警護会社の落ち度もあり会社の信頼関係などに傷が付く。  周りにバレないよう、避けて颯京様を守り抜くと心に誓った。仕事だと割り切った姿勢だ。
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