延々続く道

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太陽は赤ではなく、白だ。 真っ青な空と雲によく合った白だ。 道を行き、仲間と話しがてら空を見上げていると誰かがそんな事を行った。 誰の言葉だと辺りを見渡すが、それらしき影は無い。仲間もそんな声は聞いていないと言う。 自分の聞き間違いかと思い、再び歩き始めた。道は直線に続いていく。 しかし、確かに太陽は赤でなく白だ。 間近で見れば、火の如く燃えたぎった赤色なのかもしれないが、少なくとも自分と、周りの仲間はその目で太陽の赤を見た事は無いだろう。 では何故、太陽は赤だと記されるのか。ましてや何故自分はそれを当たり前だと思っていたのか、ふと疑問が頭に湧いて出た。 またも足を止めた私に仲間が不審げな視線を送ってくる。無言の悪態だ。 一言詫びてまた歩き出す。 まだ、道は直線に続いていく。 もしかすると、この道の先にその答えはあるかもしれない。 果てしなく続くこの道を進めば、いつか全てを知り得るかもしれない。 前よりずっと近く感じる、この太陽の正体も、また同様に。
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