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12
かなり強引に、ベッドのある部屋まで連れて行かれた。
そこもやはり十畳はありそうな部屋で、ホテルみたいに大きいベッドと、勉強机が置いてある。
ベッドに倒され、覆いかぶさってきた鷹城に口付けられた。キスはなかなか終わらず、焦ってうまく呼吸が出来ず、次第に息が苦しくなってくる。
ぼんやりしてきたところで、鷹城は服を脱がせ始めた。
抵抗したが、その度にしつこいほどのキスで妨害され、結局全て脱がされてしまった。
鷹城が満足するまでは、帰れないだろうか……。
さっきの言葉は本当だろうか。
鷹城がなぜ……俺のプライドを一番傷つけそうな行為をしないのか、気になっていたが、ついにその日が来てしまったのだろうか。
利用しようと考えたから、バチがあたったのかもしれない。
なんとかやり過ごし、挿入に行き着く前に満足させるしかないと、俺は必死に次の作戦を考えていた。
しかし、いつもとは勝手の違うベッドの上。鷹城の行動もまた、いつもとは違うものだった。首筋や胸にキスを繰り返したあと、なぜか急に俺の腹上へまたがった。自らベルトを抜きズボンを下げ……、現れたそそり立つ雄を、無理やり俺の胸にこすりつけてきた。
「ん……んっ」
「気持ちいいのか? こんなことされて……」
そう言いながら己の雄を持って、先端を、俺の乳首にぐりぐりと押し当ててくる。
鷹城のことは変態だなとは思っていたが、間違いなく自分も変態なのだろうと思った。鷹城にこうされて……、興奮してしまっている。
「あ……」
「おまえの乳首……、まじエロいわ……、たまんねぇ」
触れられてないほうの乳首が疼いてたまらない。けれど触ってなどとは、とても言えない。
「んっ、あ、あ……、や」
「なあ、ほら……、乳首、俺のチンコに犯されてるぞ……」
そう言いながら、軽く腰を揺すってくる。
「もう、鷹城……! ん、あ」
「すげぇ感じてるじゃん。なぁ、宇野……、こっちも欲しいか?」
鷹城は位置をかえ、もう片方の乳首に雄を擦りつけてくる。気持ちが良くて、俺は泣きそうになっていた。どんどん淫猥な気分になった。
よい結果にならないとわかっているのに、どうしていつも流されてしまうのだろう。
鷹城は俺にこんなことをしておきながら、終わったあとはなぜ、平気な顔で話しかけてくるのだろう。恋人でもないのに、なんでこんなこと……。
セフレという言葉が頭に浮かんだが、それも違うなと思った。行為は合意ではない。
あのバイトのことをバラされるから、従っているんだっけ……。
俺がここに来たのは、鷹城が俺を好きなのか確かめたいという気持ちもあった。しかし、全て俺の勘違いだった。相手の気持ちも考えず、こんな勝手なことができる奴は……、単に自分のことしか考えない自己中心な人間だ。きっと本当の意味で、人を好きになんてならないはずだ。
俺はただ暇つぶしのおもちゃとして、鷹城に気に入られたんだろう。
「ほら、気持ちいいだろ……」
「や、あっ、やぁ……」
擦りつけは激しくなり、やがて胸上に鷹城の精が吐き出された。鷹城は息を整えながら、気持ち程度に精液を拭った。
「じゃあ次は後ろな」
「やだ」
「もっかい乳首でもいいけど……」
「だめ……」
鷹城は俺の膝頭を掴んで、股を大きく開かせた。俺は羞恥に耐えられず、ぎゅっと目を閉じた。股の間に手が触れると、それだけで達してしまいそうになる。
鷹城は、後孔を指でぐりぐりと押し広げながら、楽しそうに言う。
「感じてるんだろ? 素直になれよ……。俺にちょっと乳首触られただけで、勃起すんだからよ……。欲しいんだろ、ほんとは」
指は二本に増やされ、いつのまにかローションのような……冷たい液体が塗りこまれていた。じゅぷじゅぷと音がするほど激しく、指が出入りしている。
「なあ、ねだってみろよ、挿れてくれって」
「ん……」
「ほら、この……おまえの気持ちいいとこ、チンコで擦ったらさぁ、どうなると思う?」
そう言いながらクイクイと指を動かして、その箇所を刺激してくる。ほんの少し掠るだけで、甘く腰が痺れてくる。
「や、だめ」
「言ってみ、チンコ挿れてって……」
「あ、や……」
「チンコ欲しい、でもいいぞ」
鷹城はさっきから、やわやわと中を探ってはパタリとやめてしまうのだった。もどかしくてたまらない。
「そしたら……、めちゃくちゃ気持ちよくしてやるから、な? 言えよ」
鷹城はなおも続けてくる。
「ほら、はやく言えよ……、チンコでいっぱい犯してくださいって」
耳元にそう吹きこまれた瞬間、低い声が身体の奥まで沈み込んでいった。背筋を……甘い疼きが貫く。
「ん……!」
震えが来て、俺は達してしまっていた。
弄られ続けたその穴を、反射できゅっと窄めてしまう。鷹城の指の存在を、一層くっきりと感じることになった。全身が、ドクドクと脈打つ。
(こんな……)
快感の波が緩やかに近づいては、引いていく。射精したのかと思ったが、そうじゃなかった。
鷹城は少し驚いた様子で、俺の顔をまじまじと見つめていた。
「宇野……」
「うるさい」
恥ずかしくてたまらない。
俺は、すぐ横にあった青色の枕に突っ伏した。そのあとなぜか目頭が熱くなり、いつのまにか泣きだした。
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