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グラウンドからは、ランニング中の少年たちの元気な掛け声が聞こえてくる。
あれは、もう何十年前のことだったろう。
たしか、こんなふうに晴れていて、のどかな昼下がりのことだった。
*
その日、校舎内の窓辺にいた ぼくは、特にすることもなくて、ぼんやりと外の景色を眺めていた。
退屈な時間というのは長く感じるものだ。校門前の時計の針が止まって見えるのは、気のせいだろうか。
「おぉっ、丁度いいところに! 」
勢い良く横へ引かれた扉から現れたのは、野球部顧問の岩戸だった。日に焼けた筋肉質な体は、いかにもな感じである。
「今から、筋トレやるからな」
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