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「そうだおじいちゃん。もしおじいちゃんが死んだら、幽霊になって出てきて、極楽と地獄のどっちに行ったか、僕に教えてよ」
「お前はずいぶん面白いことを言うのう。よしよし、分かったよ」
思えばずいぶん失礼なことを言ったと思うが、ともかく僕は、おじいちゃんとこんな約束をしていたのだ。
おばあちゃんも、お母さんも弟も、親族のみんなが泣いているなか、僕だけが涙の一粒も見せず、胸をドキドキさせて、突っ立っていた。
おじいちゃんが幽霊になって会いに来てくれるのを、今か今かと待っていた。
……でも、いくら待ってもおじいちゃんの幽霊は現れない。おじいちゃんの火葬が済み、骨上げの帰りのバスに乗ってうとうとしていたら、スマホのメール着信のメロディが鳴った。
受信メール欄を開けると、「極楽入館証明書」というタイトルのメールがあった。
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