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たったいま、おじいちゃんが死んだ。
僕は、おじいちゃんがまだ喋れるほど元気だった時、この病室で、おじいちゃんとある約束をしていた。
「ねえ、おじいちゃん。人間って、死んだらどうなるの?」
「そうさなあ。おじいちゃんもまだ死んだことないから、確かなことは言えないけど、まず閻魔さまのところへ連れていかれて、極楽行きか、地獄行きかの判決をされるんだな」
「いいことをした人は極楽行きで、悪いことをした人は地獄行きなんだよね」
「そうさなあ。この見極めが難しいだろうけど……とにかく、どっちかに行くんだろうね」
「おじいちゃんはいい人だから、極楽行きだよね」
「そうさなあ。どうだろうなあ。そうだったらいいんだけどね」
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