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6班
16番 たどころ みか
17番 たなか かえで ピアニカ
18番 たなべ みさと
私と美香の出席番号と名前も、真面目な楓が率先して紙に書いてくれる。大人顔負けなほど異様に字が綺麗なのは、日頃から習字をしているおかげらしい。おじいちゃんが書道家で小さい頃から教えられていたそうだ。
力強く角張り、枠いっぱいに書かれた大きな字は楓の隠された性質を表しているのかもしれない。
「ねぇ、みさとちゃん」
楓が自分の担当楽器の欄にピアニカと書くと、私の横にいた美香がボソッと囁きかけてきた。
「みかのと交換しない?トライアングルでしょ?」
美香はタンバリンと書かれたクジを差し出してくる。
特にトライアングルに固執するわけではないが、以前のタンバリンの授業で叩いていた左手が痛くなってからタンバリンが嫌いになったのでチェンジは遠慮したい。
ピアニカだったら快諾したのだが。
面倒を避けようと返答に思い悩んでいると、美香は急かすように顔を覗き込んでくる。
「かえでちゃんにも先生にもバレないよ、いいよね?大丈夫だから!」
そう言うと美香は奪うように私のクジを取りあげ、代わりにタンバリンと書かれたクジを握らせてくる。そして私が抗議の声をあげる前に、誇らしげに楓にクジを見せびらかした。
怒りを通り越し、呆れも通り越すと、もはや圧倒されてしまった。
この女すごいな。
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