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気まぐれ猫と映画の日
濡れた皿を拭き終え、時計に目をやる。
9時。バイトをあがる時間だ。
手元にあったものを片付け終えると、そそくさとスタッフルームのドアを開けて自分のロッカーへと向かう。
私の働いているカフェは店長と私を含めた5人で店を回している。たいして大きいカフェではないし、客も多い方では無いため仕事量も多くない。
それに、来る客なんて大抵決まった人で、本を読んだり、うちの売りである本格珈琲を一杯飲んで帰る人ばかりだ。昔ながらの落ち着いた雰囲気の店内に、控え目に流れるクラシック。
私にとって好条件のバイト先だった。
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