47人が本棚に入れています
本棚に追加
✩.*˚
アンバーと別れて部屋に戻るとベティが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ」
「何?何かあったのそんな顔で?」
眉根を寄せて眉間にシワがよっている。
なんか責められてる気がする…
「なんでもありませんわ」とベティは言うが、何となく機嫌が悪そうだ。
その理由はすぐに分かった。
「お帰りなさいませ、ミツル様」
明るい女性の声…ペトラまだ居たの…
「まだ起きてから何もお召し上がりになられていないでしょう?
お肉とお魚どちらがお好きですか?」
え?扱い変わりすぎじゃないか?
これはこれで怖い…
「王女様にお世話なんてさせられないよ」
「お付き合いするんですもの。
料理の好みくらい把握しなくては良い妻にはなれませんわ」
にこやかにペトラがそう言って僕に歩み寄る。
またふわりと花のようないい匂いが鼻をくすぐる。
「ミツル様の好きな物全部知りたいですもの。
ミツル様も私の好きな物を知ってくださいね。
いっぱいお話して、貴方のことを教えてください」
僕の手を取ってキラキラした眼差しでそう言った。
随分積極的な王女様だ。
元々そういう明るい娘なのかな?
うーん…
「ペトラ様、ミツル様はまだお疲れだと思いますので少し休ませてあげては貰えませんか?
今日気が付いたばかりなんですから」
ベティが助け舟を寄越してくれるがペトラはなかなか手を放してくれない。
キラキラした眼差しが眩しい…
なんせ生まれてこの方非モテで生きてきたんだから、女性に免疫などあろうものがない。
しかも相手は超絶美人だ…
最初のコメントを投稿しよう!