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「薫蘭風、おかえり」
みんなで薫蘭風ちゃんの実家の玄関をくぐると相変わらず着物をピシッと着こなしてる薫蘭風ちゃんのお母さんが笑顔で迎えてくれたが、その視線が伊織先生に向かったとき一気に厳しくなる。
「姉さん、あなた、この一年も女の子を沢山泣かしたそうね?ちょっと来なさい」
薫蘭風ちゃんのお母さんは伊織先生の首根っこを掴む。
「あ。皆さんはゆっくりしてね。今年はキャンプだと聞いてるから準備しててね」
ズルズルと伊織先生を引きずり奥に向かう薫蘭風ちゃんのお母さん。相変わらず姉に厳しい……。
「私が!私がいなきゃキャンプの準備なんかできないからーー!!」
「姉さんがいても邪魔なだけよ!」
まさしくそうだと全員頷き、みんなで庭に行きキャンプの用意をする。
「調理班はやっぱりほんもの女子たち?」
「料理はできるけど、食材調達はちょっと……」
良くんの言葉に対しての束砂さんの言葉に不安になる。
「大丈夫。そこは私たちがやるから、ほんもの女子の皆さんは休んでて」
うたうものさんの目がウキウキしている。その横の五丁目さんの目もキラリと光る。確かにうたうものさんと五丁目さんは、そういうのが得意そうだ。
「じゃ俺は魚釣るよ!」
俺は率先して手をあげた。
「じゃぁ瑠璃くん、一緒に釣りしよ」
薫蘭風ちゃんも乗り気だ。なぜか薫蘭風ちゃんの実家に来るときは俺と薫蘭風ちゃんは一緒に川に行く。なぜか分からないけど、他の人がついてくることはないんだよね。
「僕と良くんで火起こしするから、キャンプ張るのはタッくんとげたんわくんと大さん、徹さん、おじさまだね!」
みんな結構ノリノリだ。女体化しててもみんな男の子だなぁと思う。
「お父さんは瑠璃と一緒のテントがいいなぁ」
「えー。僕と一緒のテントにしようよ。瑠璃くんとはいつも一緒にいるでしょ?」
そして一番テンション高いのが香多くんだったりする。
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