ファイナルカード

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「おい、浩二。準備しろ、いくぞ。」 監督の高宮が腕時計を確認しながらベンチへ声をかける。 浩二はピッチを見つめていた厳しい顔のまま靴紐を結び直し、背番号10のユニフォームに着替える。 「監督、できました。」 水分補給をしながら、ホワイトボードを片手に戦況を見つめる監督の元へ行く。 「よし、もうここまできたら好きなようにやってこい。ただし、お前が動き出すタイミングはこちらで指示をする。」 「わかりました。」 浩二は近くにいたコーチから交代用紙を受け取り、第四審判の元へ向かう。 すると、反対側のスタンドに陣取るスタンドからは大きな歓声が上がった。
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