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ピーッ
試合再開の笛を主審がが鳴らすとボールが高く自分の頭を超えていく。
それをディフェンスラインに君臨するキャプテンの岩見がヘディングで跳ね返す。
『ここで、選手の交代をお知らせいたします。水西高等学校、背番号16、林一樹選手に変わりまして、背番号10、高宮浩二選手が入りました。』
場内のアナウンスが流れるとスタンドの応援団はもちろん、相手応援団以外からの拍手が大きくなり、会場の雰囲気が一変した。
ボールを保持する水西高校は会場の後押しを受けてじりじりと相手陣内に攻め込んでいく。
ワンタッチ、ツータッチでテンポ良くパスを回すが浩二は混ざらず、周りに声で指示を出す。
それでもシュートまでは持ち込めず、時間だけが過ぎていく。
「監督、アディショナルタイム5分です。」
「よし、動かすか。一点勝負だ。」
コーチからの言葉と同時に第四審判がアディショナルタイムを表示したボードを持ち上げる。
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