流星屋は、今日も働かさせられる。

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「……わかった」 ジェフの真剣な眼差しをそらし、タロウがつぶやく。 「今から、第7ステーションにドッキングし、落下を食い止めよう」 「よし!」 俺は、操縦席にあるエンジンのレバーを手前に引き倒した。 エンジンに力が入り、船体が力をみなぎらせるのがわかる。 「エンジン全開、仰角60度、その後にエンジン30%に減速、90秒後にエンジン停止、150秒後逆噴射」 ジェフがパネルを叩きながら告げる。 俺は操縦桿を握り、角度のメモリを追う。窓の外からは青々とした海が消え、漆黒の闇が覆いはじめる。 「仰角60度!」 操縦桿をもとの位置に戻し、エンジンレバーをゆっくりと戻す。 「エンジン30%!」 深い闇を映し出す窓に反射して、心配そうにするタロウの顔が見えた。
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