12人が本棚に入れています
本棚に追加
「……わかった」
ジェフの真剣な眼差しをそらし、タロウがつぶやく。
「今から、第7ステーションにドッキングし、落下を食い止めよう」
「よし!」
俺は、操縦席にあるエンジンのレバーを手前に引き倒した。
エンジンに力が入り、船体が力をみなぎらせるのがわかる。
「エンジン全開、仰角60度、その後にエンジン30%に減速、90秒後にエンジン停止、150秒後逆噴射」
ジェフがパネルを叩きながら告げる。
俺は操縦桿を握り、角度のメモリを追う。窓の外からは青々とした海が消え、漆黒の闇が覆いはじめる。
「仰角60度!」
操縦桿をもとの位置に戻し、エンジンレバーをゆっくりと戻す。
「エンジン30%!」
深い闇を映し出す窓に反射して、心配そうにするタロウの顔が見えた。
最初のコメントを投稿しよう!