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「小さく、ばらせればいいんだよな?」
俺はジェフを見つめた。
「そうや。でもどうやって?」
俺は座り込んでいるタロウを見て言った。
「タロウ、お前のおかげだよ。この船には採掘用の爆薬が載っている」
タロウの目が大きく開かれる。
「そうか、それを使えば!」
「そうだよな? ジェフ!」
ジェフの方を見ると、神妙な顔つきだった。
「そうなんやけどなあ……」
「だけど?」
「爆薬を第7ステーションに取り付ける時間がもう残ってないんや。だから……」
ジェフがかがみ、タロウの肩にぽんと両手をかけた。
「この船ごと爆破するのが条件や」
「…こ、この船ごと?」
固まったタロウが口だけ動かしている。
「そう。粉々になるんや」
「あと十年ローンが残ってるのに?」
「たぶん免責にもならんやろうなあ」
「ああ……」
砂漠で生き倒れた者のようにタロウはその場に突っ伏した。
「でも、俺らはどうするんだ?」
「スペーススクーターがあるから、近くのステーションまではたどり着けると思う。2人乗りやけど、ぎりぎりいけるはずや」
本当に入るのか?
せっぱつまった状況だったが、ジェフのお腹がつかえないか心配してしまった。
俺は腰を下げてタロウに話しかけた。
「タロウ、ここまできたらやるしないぜ」
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