流星屋は、今日も働かさせられる。

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「まもなく福岡宇宙空港に到着します」 船内のアナウンスで目が覚める。 窓の外には見慣れた風景があった。 ふあああとあくびをする。全然寝たりない。 第7ステーション墜落については、大惨事を防いだことに加え、解体予定だったステーションを結果的に費用をかけずに処分できたということで、俺たちに政府からのおとがめはなかった(というか、墜落の原因は俺たちではないのだが。)。 むしろ、あのカーライルからちょうど新年を迎えるにあたり依頼以上の流星を振らせてくれたとして、感謝の電話と莫大な報償金をもらうことができた。 おかげで、タロウは残りのローン払っても新しい船体の費用の半分は賄え、俺らも失業せずにすむことになった。 「ローンが5年延びた」とタロウは喚いたけれど。     1月末、後始末も終わり俺はようやく地球に戻った。 年末年始からの騒動で、俺は精神的にも肉体的にも疲れ果てていた。 一刻も早く地球の引力に惹かれてベッドでぐっすり寝たい。 「おつかれさま」 空港のゲートを出たところで、見覚えのある顔が出迎えてくれた。
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