12人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、ほんと疲れたよ」
肩まで伸びるさらりとした髪を横にながし、彼女が微笑んだかと思ったら俯いた。
「……」
「どうした……」
彼女が胸に飛び込んでくる。
「……心配したんだよ」
「ごめん」
彼女の頭を両腕で包み込む。
大変な作業だったが、何事もなくて良かった。
彼女の頭を撫でようとしたとき、
「あれ?」
「ん?」
「……ネックレスがない」
彼女がぱっと離れる。
「どこにやったの?」
「流星になった」
「なんでそんなばかみたいな嘘つくのよ」
「いや、ほんとだって」
「どうせ、いつもみたいになおした場所わからなくなったんでしょ」
「ちがうちがう。これには事情が」
「せっかくお気に入りのペアのネックレスだったのに……そうだ!」
俺の手を引っ張りながら彼女は言った。
「しかたない。今からまたペアのネックレス買いに行こう」
まじか。
お願いだから今日くらいは休ませてれよ。
「流星屋」には、休みなんてないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!