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「どうしたらいい?」
俺はジェフに問いかけた。
ジェフは口に手を当て、しばらく考えたあと、
「…第7ステーションにドッキングして、この船の力で持ち上げてみたらいいんやないんかなあ」
「あの大きさの構造物に、このぼろい船でできるのか?」
ジェフの目を見る。
「…今から月面軍に連絡してもとても間に合わんし、この近くのステーションには年末年始で他の船はおらんもんなあ。落下スピードがあがらんうちに、やった方がええと思うで」
「よし、第7ステーションにドッキングするぞ。いいよな、艦長?」
タロウに尋ねたが、返事が返ってこなかった。
「タロウ?」
手をもじもじさせて、うつむいている。
「……でも、できるかどうかわかんないんでしょ? もし一緒に落ちたら……」
ジェフが立ち上がりタロウに言った。
「船長。もしあれが落ちたらボブの会社だけでなく流星屋は全部終わりや。それに見殺しにしたとなったら、政府も私達のことを黙っとらんと思う。下手したら地下採掘場で一生労働刑が待ってるかもしれん」
「ひい! それは嫌だ……」
ジェフがタロウの肩に手をかける。
「この事態を救えるのは、わいらだけや」
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