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「今度淋しくなったら、空を見上げて星を見るんだ。今みたいに俺たち、同じ空を――同じ星を見ることで、何処かで必ず繋がっているはずだから」
「翔、琉……」
翔琉の言葉に俺の心は温かくなる。
「まぁ、俺は別の意味で早く颯斗と繋がりたいけどな」
「!!!」
言葉の意味を素早く察知してしまった俺は酷く赤面した後、照れが滲む声でポツリとこう呟く。
「待ってますから。あなたの家で――」
その晩、翔琉の香りに包まれた俺は穏やかな気持ちで深い眠りに着いた。
翌朝。
「そろそろ起きるんだ」
聞き覚えのある低い声が、俺の耳許を濡らすように告げた。
ぱちりと目を開けた俺は、慌てて飛び起きる。
「え、翔琉? どうして?!」
「寂しがり屋の可愛い恋煩いさんが家で待っているというから、朝イチで帰ってきた」
ご機嫌な表情の翔琉は、昂る下腹部の熱を俺の大腿へ押し付ける。
「受話器の向こう側で独り盛り上がっていた颯斗をたっぷり愛してやれないのは、やはりとても辛いな。だから、俺たち今から――」
翔琉の言葉に頬を朱に染めた俺は、そのまま共にリネンの海へと沈む。
恋煩いの俺たちは、夜を待たずしてお互いの愛を奥深くまで確かめ合う。
愛してる、その言葉と共に。
END
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