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「おお、これは我々が探していた北極星! 人間の子ども、しっかり星を抱えて座っていてくれ。急いでこの星が在るべき場所に向かおう」 オリオンは船を漕ぎ出しながら話てくれた。 彼らは、北を現す星、北極星が行方知れずになり、星座という星座が探していたそうだ。 その北極星のあるべき北の空に向かっている。 「ごらん、乳の環だ」 だけど、僕はその星が集まる場所の、別の名前を知っている。その名前は天の川。 天の川を、僕らが乗った船が遡る。 と、船が行く先に人影が見えた。 「おお、馭者殿、北極星が見つかった。そこを通してもらえないか」 「おお、見つかったのか。特別に通るがいい。ペルセウスとカシオペア王妃には、私から伝えておこう」 しばらく行くと、突然、オリオンと似た体格の男が、船の中に飛び降りた。 「ペルセウス」 「北極星が見つかったと聞いて。それを見せてもらえるか?」 僕は言われるがままに、抱えていた星を見せた。 「ふむ、間違いない。このまま、カシオペア王妃の元に急いでくれ」 船はやがてカシオペア王妃の元にたどり着いた。カシオペア王妃は僕の姿を見るなり、僕を椅子の後ろに立つように命じた。 「オリオンにペルセウス、頼みましたよ」 「人間の子どもよ、星を落とすなよ。今からお前をこの星があるべき場所へ飛ばすからな」     
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