大川の端、浜町河岸に

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大川の端、浜町河岸に

   小生は日本橋浜町河岸に生まれ、戦前は裕福だった。 祖父の代に京都から友禅を東京へ移し、着物全盛だった戦前は、いい暮らしを していた。  大崎、中延に100軒近くの家作があり、中央区でも大地主として、公的資 金の上位クラスに入るくらいの名門だった。  祖父はやり手であったが父はどちらかというと作家タイプで名人気質だっ た。  三歳上の兄はご飯に砂糖をかけて食べるような生活であって、とても疎開に 耐えられる身体ではなかった。  小学校までの雪道を革靴で行き、スッテンコロリンを繰り返して、泣きなが ら家に辿り着いた兄の顔は汗と涙に濡れていたのを小生は思い出す。  時の流れで、人の運命は変わる。いい時も悪い時もある。  人間では決められない天の声が存在するのだ。  小生も今の日本は必ずしも、幸せ度は高くないと感じている。  戦後の急成長の行きよいもなく。ただ、漫然と生活をしているだけであっ て、日本のパワーは確かに落ちている。  これはどうしてであろうか。 小生は、リーダーの品性が足らないと感じる。 ヨーロッパのリーダーはシェイクスピアの物語を理解しているし、 絵画の美的センスも、分かる。 何時までたっても、官僚の書いた答弁書を読んでいるだけでいいのだろうか。 世界史すら知らないリーダーは、何時までもポチでいいのだろうか。 沖縄の米軍基地では、新型コロナが100人以上陽性者が出ているのに、日本 は何もできない違い法権でいいにだろうか。  自分の延命だけを望むリーダーは、国民も見ていられない。 日本はほんとうに民主主義の国だろうか。 小生は違うと感じる。  戦後の米軍から与えられた民主主義は、気持ちのいいものだった。  それまでの軍部の独裁よりも、自由平等の与えられ方は、負けた日本国民に とっては気持ちのいいものであったが、昨今の世の中の流れは大本営の失敗の ようにマスコミの勝った嘘宣言の二の舞を演じている。  政権ベッタリで、嘘の人気数でのご機嫌取りの数字なんて、もう、要らな い。 コロナの陽性者の実際の正確な数字を知りたい。  
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