君の瞳に星は輝く

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泣き声は少しずつ・・・ 少しずつ・・・小さくなり 「・・・ありがとう」 ゆっくりと身体を離した。 「あ・・・」 僕は蓉子の身体を 留めることも・・・出来ず・・・。 「取り乱して・・・ご免なさい。  ああ、格好悪いわぁ、私」 必死で作り笑いを 僕に向けた。 (そんなに強がるな) 僕には言えない、 僕には言える強さが、ない。 「ほんまにごめんなさい。  “売られる”なんて言葉、  慎太郎くんは苦手やのに。  ご免なさい・・・」 「いや・・・僕こそ  上手いことをよう言わんで  ・・・なんて・・・」 「大丈夫!大丈夫!  私は“旧い女”じゃない!  こんな逆境は絶対に  乗り越えてみせるから!」 僕の両腕を握って 反対に僕を慰める蓉子。 (なさけない・・・) やっぱり文句ばかり言いながら 親に甘えてる僕は こんなときにも 情けない男・・・。
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