君の瞳に星は輝く

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 『実家の近くの川向こうに、   大きな遊廓街が昔、あって』  『不幸な女性を奥様はたくさん   みてこられたのですね』  『そうですね・・・でも不幸   なのは彼女達だけではない   のですよ、そこに生まれて   廓を生業にする人々にも   苦悩はあるわけです。   戦前・・・とにかく食べるが   先決な時代に職など選んでは   おれませんもの・・・   私のお友達も御自分の家の   生業に、長く悩んでおられて』 ”お友達“ が僕であるのは すぐに判った。  『”どれもこれも政治からだ“と   家内は言いました。国民が   豊かに暮らすために政策を練り、   それに企業が賛同して国民が   誇らしく働く職場を作る、   そこには男女差を無くした   教育が基本であると、女子も   遠慮なく学問して、職を、   発言を得られる社会を造れと   教育されてるうちに・・・   今日まできただけのこと、   本来なら私でなく、今回の勲章は   妻こそ受けるべきなのです』 次には仲睦まじく微笑み合う 二人の写真があった。   
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