君の瞳に星は輝く

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僕の家は普通ではない。 生業は遊郭、金に難儀する女を 食いモンにしてる商売・・・。 衣食住は満たされてるけど いつも   「“紫海楼” の息子やで。   女郎屋の息子や」 そう呼ばれてきた。 恥ずかしい・・・ 恥ずかしい・・・・ 情けない・・・ そんな気持ちで二十年。 でも、大人になるのは もっと情けない。 大陸での戦争が、止むどころか アメリカまで敵に廻して 大きな戦争になる中、 僕が、腹も減らさんと 大学で勉強出来るのは “恥ずかしい生業” のお陰 ということがありありと 身にしみてしまうこと・・・。 空襲避難用の空き地まで来て 積んだブロックに ボンヤリと腰を下ろした。
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