残り5分の運命

ーー

キーンコーンカーンコーン

「そこまでです。ペンを置いてください。１番後ろの人は、解答用紙を回収してきてください」

あぁ、終わった……。
俺は諦めてペンを置く。
空白だらけの古典の答案用紙が、抵抗虚しく攫われていった。

「よ、小塚。どうだった？」
「……俺、今日古典があるって忘れてたんだ……」
「お、おぅ」
「最後の5分で挽回できるかと思ったけど……」
「ムリだろうな……」

後日返ってきた古典の答案用紙には、赤い色で17点と書かれていた。