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ヘルマプロディートスは、顔をひきつらせずにはいられなかった。
ここには数千人のアンドロギュノスやニュンペスがいたのだ。
わずか数秒でほとんどが消されていた。
今も爆裂音と雷鳴が、恐ろしい破壊を撒き散らしている。
舐めていた訳ではない。訳ではないがーー、
そこまで怒ることはないんじゃないの?
最後の壁を引き裂いて、あいつはやって来た。
「ハイ、シドニー。ドゥーユーワナダイ、トゥデイ?」
不思議な声で馬鹿は言った。
いやあああああああ!シドニーって誰よ?!
「男が来たぞ。じゃあ死ね。ってお前か。オルケウス」
「オルケウス!手を貸しなさい!ハデスを!男を!デカいからって何よおおおおおおお!嫁におっきいって言われていい気になってんでしょう!女性は痛いのよ!おっきくて奥に届く男なんて百害有って一利ないわ!9センチあれば成立するんだから!」
「本当にみっともない奴だなこのふたなりおかまは。オルケウスはお前の側にいない。オルケウスが望む世界は男一色世界だ。お前と最も遠いところにいる奴を呼ぶか?普通は。こいつの腐った欲求は男性性がなければ成立せんのだそもそも。いいかヘルマプロディートス。こいつは正真正銘ただの変態だ」
勘解由小路コマ子は、はっきりとヘルマプロディートスに告げた。
「トランスジェンダーという概念に対し、俺達は寛容でなくてはならない。お前はアホみたいにトランスジェンダーの自立だのトランスジェンダーの解放だのとほざいていたがな。これだけ覚えておけ」
一応国会議員だった。
一方ヘルマプロディートスは身構えざるを得なかった。
トランスジェンダー問題について、何より先に行ってるのは私よ。今更男性性が何を言ったって。
勘解由小路はあっさり言い放った。
大きなおっぱいが揺れていた。
「トランスジェンダーと変態は違う」
「はーー」
既に答えは出ていた。変態にトランスジェンダーだの性差のない世界とかいくら啓蒙しても、最初から届きはしないと。
だって変態なのだし。
「まあその通りだ。残念だヘルマプロディートス。男が孕む世界を望んでいたのだがな」
「他にも変態を集めたんだろう?ああ来た」
フルボッコにされた水仙と吉備津比売が投げ込まれていた。
「うちのイゾルテと同じじゃねえか。一応ゴーマの関係者だから生かしておいた。ニンジャってお前。まあリーゼロッテとならいい勝負だろうな」
「こんなマゾ変態寄越されてもな。喜ぶだけだぞこいつは」
「ふぎいいいいいい!姉様愛してますわあああああああああ!あ!降魔さま?!」
「何が降魔さまだお前は。世界が元に戻った時、真琴が俺とお前どっちを選ぶだろうな?」
「いやあああああああ!せっかくの夢が覚めてしまうわあああああああ!何か納得いかない!」
「前回出番が強制削除されたのにな。夢魔のチン◯に快楽堕ちするレズは消えた」
「ああ。ああああああああ。もっと!その傘で!ボクのお尻を!その先端でモモのお尻に!お尻にいいいいいいいい!」
「感想はどうだふたなりおかま」
いくら集めても変態は変態でしかなかった。
吹っ飛ばされたアンドロギュノスが転がり込んできた。
「トランスジェンダーだのLGBTだの言ってたけどよ。結局ヘンタイじゃねえか。お前も男性原理に支配されてんだろうがヘンタイ」
「いやあああああああああああああああああああああああ!認めないわこんなの!女性性に男性性は打倒されるべきなのよ!」
「それだ。トランスジェンダーを語る上でよくある間違いだ。本来的に上も下もないのがジェンダーだ。男性性の打倒っつってるレベルで既に男性性に支配されてるんだお前は。男女関係に正解などない。何故なら生きることと同じだからだ。人が一生をかけて悟るのと同じ、男女交合の先に悟りがある。つまりこういうことだ。おっぱいこそが悟りだ」
「どういうことだお前は。しかし今回ばかりはお前の意に賛同する。滅べ変態神」
島原と静也が現れた。島原はレーザーポインターを照準した。
ついに、男性器を奪われたおっさん達の集合があったという。
有り得ない。男なんて臭くて汚くてバイ菌持ちのろくでなしでイカ臭い!イカ臭いのよおおおおおおおおおう!
「なら滅べお前達はああああああああああああああああ!ヘルマプロディートス万歳!」
やおら飛びかかったふたなりおかまに対して、勘解由小路は懐に手を伸ばし、それを開いた。
ハデスが生み出した地獄の器物邪器の一振ソウルスライサー。
任意に魂を分断可能なカミソリの刃が、ヘルマプロディートスの魂を分断した。
は?
気がついたヘルマプロディートスは、背後に荒い息を感じて硬直した。
「ハアハア。ヘルマ♡ヘルマたん♡」
「ひいいいいいいいいいいいいいいい!ニュンペー!」
背後にいたのは在りし日の悪夢だった。
「僕達は一つになっていたね?でも改めて分かれた。ヘルマたんカワユス♡」
「変わってないわねあんたああああああああああ!ひいいいいいいいいいいいいいいい!」
「変わったのは君の方だお♡おっぱい大きくなっちゃって!いい匂いだお!ヘルマたんのあれがムックムク♡暖かいね♡」
「握るなあああああああ!何遍言わすのおお?!痛い痛い痛い!指突っ込むなあんたはああああああ」
「愛してゆ!ヘルマたん♡僕はふたなりでも全全然オッケー!ズボズボしながらコスコスしちゃうよ♡あああ♡僕のよりおっきい♡ヘルサオたん我慢汁でヌルヌル♡」
「たあすけてえええええええええええ!うぐう!痛いってば!奥グリグリされると!いやあああああああ!ニュンペニ◯が私の奥にいいいいいいいいいい!ぎ、熱!出したわねニュンペー!連チャンなんか許すかああああああああ!ヘルマウスを食らえええええ!」
「ああああ!噛まれた!僕の旗ざおがああああああああ!でも気持ちいい!噛みながらペロペロしてね」
おっさんにのしかかられたふたなり美人という構図があった。
「ただのヘンタイじゃねえか。たまにあるぜ。エックスビデオにふたなりもの」
「トランスジェンダー問題は迂闊に口に出来んのだ。変態なら話は別だ。トランスジェンダーを殴れば破滅するが、変態を殴っても全然問題ない。あ、でも凄い勃起してるな。結局デキテるんだなこいつ等」
「発端が下らなきゃオチも下らねえ。こんなんに振り回されんのか。また。いや見せんなおっさん!俺にそういう趣味はねえんだ!」
「我々の気持ちが解ってくれてありがたい。さっさとまとめて帰るぞ勘解由小路」
「ノリリンの股間からあれが消えればそれでいい」
「アースツーには馬鹿しかいないんだな。新世界って話もあったが、追放された馬鹿のコミューンかよ。何とかしろよゴーマ」
「そうだな。いいやもう。ニュンペー」
「ああどうも素晴らしいハデス様。ずっと思ってたんです。ヘルマたんの尻をペロペロしてお穴というお穴を心ゆくまで堪能したいと。最終的に僕の尻をとお願いしたけど嫌がっちゃって。そうこうしてる内に一つになっちゃいましてね。やっぱり僕等の愛は永遠だねハアハア。ヘルマたあああああん!」
「ぎゃあああああああああああああああああ!」
「どうでもいいが、変えた世界の一切を元に戻せ変態カップル」
あっさり解決した。
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