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最悪の事態勃発
元警察庁祓魔課の日常 降魔1/2編
昨夜のホットな夜は余韻となって心地よく、国会議員の勘解由小路降魔は目を覚ました。
妻の真琴を抱き締めて眠っていたのだった。
あー。寝起きで真琴の匂い。最高だぞ俺のエロ蛇ちゃん♡
ちょうど背を向けて眠っていた若い妻の背中をペロペロした。
30代後半ではあるが、妖蛇バジリコック、女神プロセルピナを身に秘めていた真琴は若々しく美しい、娘のような妻だった。
何よりも素晴らしいものに向かって、健常な右手をモゾモゾと伸ばした。
相変わらず大きいなー。マコマコのおっぱい♡指でムニムニ先っちょクリクリ♡ああ可愛い♡ママ乳が滲んちゃって。さーてもうちょっと下サワサワしちゃおうか♡お尻の下からモゾモゾ♡あー♡マコマコの下っ毛発見♡モシャモシャしちゃうぞー♡寝てる嫁さんにイタズラしちゃうぞ♡俺のオス蛇ちゃんはもうすぐ50歳だが若々しく朝のピンコをピンコピンコしていてーーあん?
そこで、最低のエロオヤジは、妙なものを握ってしまったことに気づいた。
「ン♡」
真琴の甘い寝息が漏れた時、勘解由小路はそれに気づいた。気づかされた。気づかない訳にはいかなかった。
「ア♡おはようございましゅ♡降魔さん♡」
え?何で?何でマコマコがオス蛇ちゃんを?それは俺だけが持っている隠しマニュピレーターで。確かに役に立ってないかもしれないが、相手はフラッグシップの可変機だったし。
大体バイオセンサーって何だよ?サイコミュとは違うの?いやどうでもいいか。
どうせ、俺のジオは動くのは間違いないし。
「昨日は素晴らしい夜でしゅた♡コマ子さんのおっぱいを一晩中ペロペロしたんでしゅ♡しゅてきなコマ子さん♡」
そう言って真琴はこちらに向き直り、ムニムニしたのは俺のーー。
そして、勘解由小路は絶望の声を上げた。
「俺のオス蛇ちゃんはどこ行っちゃったのおおおおおおおお?!」
朝起きたらワイ将TSFしていた話。
要するに起きたのはそれだった。
お前等全員集合!
勘解由小路の号令で、36人の僕は集合整列していた。
向こうでは真琴が怪訝な顔をしている。
「よし!三田村さんお早う!面外せお前は!」
「お早うございます。我等が麗しの魔上女皇様」
「誰が魔上女皇だああああああ!よし!いつもの老執事だなシャックス!」
「麗しのエンプレス様に申し上げます。我等は悪魔にてございますれば。一応人間の性別に照らし合わせますと」
隣にいたごつい髭もじゃのフットマン、鰐島さんは言った。
「私は、女でございますが」
勘解由小路の全身から、血の気が引いていった。
その時、けたたましい悲鳴が轟き、混元傘mkー2を持った銀正男が転がるように飛び込んできた。
「ハナちゃんにあってはいけないものがああああああああ!お前何した勘解由小路?!混元傘を食らえええええええええ!」
「とりあえずおっぱいを隠してから言え」
トランクス1枚履いた正男に、勘解由小路は言ったのだった。
勘解由小路はこのふざけた状況を確認しようとした。
リビングの対面のソファーにあぐらをかいた正男はブスッとしていた。
ブラジャーくらいつけろ。Tシャツ着せたが先っちょがポチってるぞ。それじゃあ銀色のおばさんオーガだぞお前。
俺がブラジャー付けるとはな。サイズぴったりだったが何なんだこれは。
「こういう時はあいつ等を呼ぼううちのババアを。トキ!アンズ!」
二人はちゃんと現れた。
何だろう。こないだのリリス騒動がきっかけか、どうも二人はコンビで一緒くたに扱われてる気がする。
「何でございましょうお嬢様」
「何?何の用?コマ子」
「コマ子って呼ばれてんぞお前降魔だからか?」
「ついでに呼ばれてきたけど何よ師匠?」
「ああ前回一切出番がなかった弁天か。ケチが付いてたんで出番が削られてたんだよかったな。今回呼べて。で、この神と神もどきの三人を並べた感想はどうだ?正男」
「ああ?何だろうな?トキさんは着物じゃなくてズボン履いてて違和感があるが」
「本物の神は悪魔と同じだ。あのジジイおばさんの悪夢のリプレイをするのはな。トキ、ズボンを下ろしてお稲荷さんを見せろ」
「いくらお嬢様と言えどあまりに無体な。確かにトキの股間にはそれがございます。それ以上の説明が必要でしょうか?」
「ああもういいよ皆までいうな。マコマコ。いるか?」
「勿論です。真琴はコマ子さんのラブパートナーですから」
それだけでかなりの情報を得ているようだった。
更に確認の為に、勘解由小路はこう聞いた。
「真琴。こいつの名前は?」
「コマ子さんの幼なじみの銀正子さんです」
「ざまあああああああ!正子だってさお前!」
平然と正子は言い返した。
「お前はコマ子じゃねえか」
ああ。うん。
特大のブーメランだった。
「涼白さんは、うちのメイドで間違いないんだな?」
「そうですよ。涼白さんは私と同じアンドロギュノスですから」
ほう。勘解由小路の目がギラリと光っていた。
「そうか。お前の口から聞きたい。真琴は男という性別を知っているのか?」
「1600年代までそういう概念がありました。コマ子さんは人類の進化の過程で産まれたニュンペスです。現在のこの世界に、生殖に男性性は必要ありません。現に、可愛いマコマコは昨夜、コマ子さんの背中に右腕を回していました。やがてエッチなマコマコになった私はコマ子さんのおっぱいの先っちょをコリコリしながらコマ子さんの右足を持ち上げ、内腿をナデナデしながら猛然と半側臥位でコマ子さんのアリスちゃんを。夜半の寝室にはマコマコのオス蛇ちゃんの出入りする音と、コマ子さんの舌を絡め合う音だけが」
「もういい解った。俺が前にマコマコにしてたことを俺がされてたのか。だがそれでどうやって双子や莉里が出来る?」
「ニュンペスは通常の女性のように乳房とΦがあります。アンドロギュノスの精子とΦが受精し、ニュンペスは胚を分泌します。それをアンドロギュノスが胎内に埋め込むことで赤ちゃんが出来るのです。ですから私は当たり前に双子ちゃん達や莉里ちゃんのママです」
「ありがとう。残念なお知らせだ正男。俺達は見た通り聞いた通りの存在になった」
「マジかよ。ハナちゃんと久しぶりにそうなってたのに俺のがなくなってたんだぞ。ハナちゃんにそれがあって、さっきまで逆転した関係性を味わう羽目に。ハナちゃんが俺の肩に噛みついた時は絶望的な気持ちに」
おっさんおばさんが嫁さんに突っ込まれる珍事が起きていたという。
「この不快な現実の前に仲間を探そう。行ってくるぞ真琴。うちの僕達と仲良くな。お前等は帰れ。じゃあなアンズ。イーサンのΦに好きなだけ突っ込んどけお前は」
「元カノだからって許せると思うのコマ子?!いきなり呼び出して何よ!」
ガイアは激おこしていた。
恐ろしい現実が目の前にあった。正子はコマ子を見た。
「前に話したことを撤回せにゃあならんな。お前達の梨花のことだ。男と女が揃わんと子が出来んと言ったが、女だけで子が出来る世界になっちまった訳だ。おかげで僕を側に置く気にすらならん。ちょっと電話させろ」
勘解由小路は携帯を取り出した。
「おう。今起きてるか?ああまあいいや。お前、今女刑事だろう?んん?いや知らん。俺の所為じゃないぞ度会」
今理解していた。度会涼圭と話していた。
この前のリリス騒動の時、度会と正男は友誼があった。
正男の記憶では、度会は他の同窓生達と夢界の守護を担っているという話だった。
「ああお前も認識してんだな。他の王は?ああそうだその片玉とドルオタだ。ふうんなるほどな。おっぱいだらけって訳だな?ああ任せとけ。夢界を頼むぞ度会。未亡人を孕ませてやれ。Φじゃなくお前のオニヘミさんで」
騒がしい携帯を切った。
「俺が何かしたと言いがかりをつけてきたんだ。車回してくれ正男」
それについちゃ言い訳出来んだろうお前は。
車を取りに行きながら、正男はそんな風に思った。
目的地前に、目指す人物は放心していたようだった。
「おういた。お前は正しい認識をしてると思った。おっぱいをきちんと隠せ島原雪子」
「ーーお前か?」
島原はレーザーポインターを馬鹿のおっぱいに当てた。
「違うが一つ聞かせろ。お前と眼鏡、どっちが大きかった?」
「言うと思うのか?」
恐ろしく攻撃的に荒んだ神の子は言った。
「まあいいや。乗れ。目指すは議事堂だ」
「何でもいい。誰でもいい。但し絶対に許さん。絶対にだ」
絶対に怒らせてはいけない男は、静かに激おこしていた。
勘解由小路、というより稲荷山グループが作った地下へと通じる車道を正男のワーゲンワゴンが進んだ先に、異世界アースツーへ通じる転移法陣があった。
「悪夢のような世界だ。目が覚めるとそこは地獄だった」
島原はレーザーポインターを弄びながら吐き捨てた。
要するに傭兵もののアクション映画か何かで、ナイフをクリクリしてるクリスマスか何かっぽかった。
「ああ。見事に女しかいないな。どうやら今回の祓魔対象は女だけの社会がご所望なようだ」
「まあいいんだけどよ、本気で行くのか?アースツーに」
「仲間集め完了までもう少しだ。行こうアースツーに」
ワーゲンワゴンが光を放ち、勘解由小路を始めとしたおばさんの集団は、アースツーヘ姿を消した。
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